海の時間 | 読書の時間

からくりからくさ

著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫/新潮社
447頁
読了日:2003年4月5日



物語:  ひとり暮しだった祖母が亡くなり、その古い家に4人の若い女たちが下宿する事になる。
 祖母から貰った心を持つ人形を中心に糸を染め機を織って生活する彼女たちの縁が明らかになって行く!?
 頑張れ蔦! 負けるな唐草!!
 
 

感想:  またまた図書館で借りたものでした。今日返却期限だと思っていたら昨日でした。なんてこった。こっそり返却カウンターに置いてソソクサと立ち去る。
 それはそれとして「からくりからくさ」。途中でメソポタミア地方の話が出てきて、クルド人の同化政策などの虐げられた歴史やそれに屈しない人々の生活が語られていて、今現在イラクを侵攻しているアメリカ軍に何故クルド人の民兵が協力しているのかなんとなく理解できたような気もしたのでした。そういえば昨日の夕方チャンネルNECOでやっていた「メソポタミア イラク・イラン探検の記録」という1957年製作の日本映画をチラッと見た。あの遺跡やら町並みが破壊されているのかと思うと憤りを感じるが、もちろんそれ以上に人が殺されている事の方が重大事に違いない。
 それはそれとして「からくりからくさ」です。織物とかに詳しくないので最後に完成した作品をイメージしにくいのですが、昇華して行く様子を想像するとドキドキします。