海の時間 | 読書の時間

邪魔

著者:奥田英朗
出版社:講談社
454頁
読了日:2003年2月15日



物語:  所轄署強行犯係の刑事。近所のスーパーでパートをする主婦。オヤジ狩りをする少年。
 それぞれに邪魔が入り、仕事を、人生を、将来を邪魔される!?
 頑張れ少年! 負けるな主婦!! 戦え刑事!!!
 
 

感想:  またまた図書館で借りてきました。「最悪」と同じように三つの視点から描かれているのですが、少年の話はヤクザ側の話のオマケっぽくて大筋は刑事と主婦と話でした。いや、刑事の話も事件を説明するためのもので、主題は主婦の変遷のお話のようでした。ネタバレみたいに成りますが、映画の「顔」とか「害虫」のように女性の犯罪者が最終的にはどこかへ逃げ去って行く話って何故違和感がないのかって思っていたのですが、この小説を読んでいてなんだか納得してしまった気がした。
 それにしても、警察と暴力団と企業と政治団体の癒着振りの描き方もみごとで「そういうふうにくっつくのか」とやけに納得してしまったのでした。
 どうでも良いけど、最後に「おい、腹減ったな」って言うのは弘樹じゃないのか。