海の時間 | 読書の時間

慟哭

著者:貫井徳郎
出版社:創元推理文庫/東京創元社
418頁
読了日:2003年3月1日



物語:  連続幼女誘拐殺人事件の捜査は一向に進まず陣頭指揮を取る捜査一課長は窮地に立たされる。
 一方新興宗教にのめり込んだ犯人は復活の儀式の為に次々と幼女を誘拐して行く!?
 頑張れ犯人! 負けるな警察!!
 
 

感想:  これも古本屋でうっかり買ってしまった物。初めて読んだらちょっと吃驚するかもしれないけれど「修羅の終わり」を以前に読んでいたので「もしや」と思っていたら「やっぱり」でした。でも「修羅の終わり」を読んでいなくても途中で気付くと思うけど。やはり私には叙述トリックは向いていないに違いない。ってゆうか、コレって「本格推理」なの?
 とりあえず、新興宗教にのめり込んでいく過程がよく描けていたような気もするのですが、犯人は「娘のためには気違いになれる」かもしれませんが、入信の切っ掛けはあくまでも「自分の魂の救済」だったと思うんですよ。初めから黒ミサで娘を復活させるとか言う教団なら妖しくてものめり込むのは分かるのですが、新興宗教についてよく知っている筈の彼が「自分の幸福のために気違いになる」とは思えなかったのでした。
 ってゆうか、真犯人が捕まらないのが納得できない。